金融の話について
ユーロ問題が深刻になりつつあるようです。
昨年10月26日のEU首脳会議で、ギリシャ国債の50%減免という措置を講じましたが、それでも破綻は避けられない模様です。
ユーロ問題は、ギリシャの破綻だけなら国債残高は38兆円ぐらいなので耐えられるのですが、それが原因で財政基盤の弱い他の国、スペイン、イタリアなどに波及して連鎖倒産のような事態を招くと、大変深刻な問題になります。
それも、各国の政府債務だけならまだしも、国が破綻した時に支払われる国債の保険金(CDS)の合計額が1200兆円~1800兆円とも言われるほど巨大で、それがこの問題をさらに深刻にしています。
何故こんなに巨額になるかと言えば、実際に国債を持っていない人も購入できる金融商品(naked CDS)だからです。
つまり、ある人の生命保険を無関係な第三者がいくらでも掛けられるようなものです。
CDSは、国が破綻した時にその債務を保証することを目的にしたものなので、ギリシャは既に実質的に破綻していますから本来は保険金を払うべきなのです。
ところが、掛金だけは取っておきながら、債務の50%減免などによって保険金支払いを避けています。
こうなると、このCDSという金融商品がそもそも保険という機能を果たせるのか極めて疑問です。
さらに、今回のギリシャ危機も米国の証券会社がこのCDSの大量の空売りをすることで仕掛けたという噂もあります。
もはや、これは金融工学の行き過ぎが作り上げた完全にモラルハザードな商品と言えそうが、これを禁止するコンセンサスすら得られていません。
もしこのCDSが発効すると欧州各国にとどまらず、世界各国の金融機関、政府にも大きな痛手が予想されており、当然のことに日本の一部の証券会社でも大量に扱っているようです。
リーマンショックでも明らかになったように、複雑化、巨大化した金融市場に、実体経済が振り回されるようになっています。これを解決するための、確固たる方法を、金融当局は未だ打ち出せていません。
現状を見ていると、危険が大きくなった後に対処することは、とても難しいように感じます。
自律的で、制御可能な金融制度を確立するため、何らかの規制を適用することが必要になっているのではないでしょうか。